原田さんの農園は、水仙郷で知られる淡路島の灘地区にあります。海沿いの道から急な坂道を登り続けると、辺り一面にみかん山が広がってきます。軽トラックから降りて、さらに野趣溢れるトロッコ風ケーブルカーに乗り換えて山上へ。キラキラ輝く瀬戸内の海と、沼島が一望できるみかん山に到着!こんな大自然の中で、みかんやはるみ、サンフルーツ、そして不知火(しらぬい)などを適地適作の心を持って果実たちに愛情を注ぎながら大切に育てる原田さん。有名な果実専門店のバイヤーが尋ねてくると言う伝説の不知火(しらぬい)が、寒い冬に糖度を蓄えあま〜く甘く育ってきました。
不知火(しらぬい)は清見にポンカンを交配して生まれた香り豊かな独特の食感を持った果実です。熊本で名付けられた「デコポン」という名で一般的には知られています。皮をむいて袋のまま食べられる独特の食感と香り、糖度と酸味のバランスが人気の秘訣です。
その土地の気候に合わせ、条件の合うところで条件の合うものを自然に作る。
様々な農法を試してみたり、肥料にこだわったりしてきた原田さんが行き着いた農業は、「適地適作」でした。特別なことは何もしない。木が好きなところで育ててやる。そうしたら、不要なものが削ぎ落とされ、とんがった味がまろやかな甘さに変わってきたのだとか。そう語る原田さんの笑顔はとびっきり輝いていました。